子どもが選び、決めるということ

開智アフタースクールは2018年度に開校をして、7年目を迎えました。

アフタースクールは、6年前も今も、多くの子どもたちにとって、放課後の自由な時間を過ごすことができる居場所でありたいと願い、活動をしています。

これまで子どもたちと共に過ごしてきた時間の中で感じとってきたことを、私たち(アフタースクール)なりの言葉で、皆さまに少しずつお伝えができればと思います。

「自由」とは・・・?

放課後は「自由」な時間、と我々はよく表現をしますし、そのようなイメージを持つ方も多くいるのではないでしょうか。

では、「自由」とは何でしょうか。言葉の意味を調べると、「自分の心のままに行動できる状態。思い通りに振舞えて、束縛や障害がないこと」と書いてあります。または楽ができる、自分勝手にできる。それも意味としては間違いではないと思います。

しかし、放課後においての「自由」とは、やや価値観が異なるような気もします。

「自分で選び、決めること」

日々の中で、子どもたちが自由に自分で選び決めることができる瞬間は、どの程度あるのでしょうか。意外と多くないのではないでしょうか。

子どもだから大人が決めてあげないといけない、そのように考えることは決して間違いではないと思いますし、私たち(アフタースクール)も、子どもたちに代わって決めてしまう(決めなければならない)瞬間はたくさんあります。そもそも、「だれが決めているか。自分で決めることができてるか。」なんて意識をすること(とくに子ども自身が)自体が少ないかもしれません。

アフタースクールの場合でも、ある程度のルールや時間、やるべきことがすでに決められたうえで、子どもたちは放課後を過ごしています。宿題の時間、プログラムの時間、遊ぶ場所、着がえの時間、帰宅時間・・・。短い放課後の時間の中(2時間前後)で、大人が「決めていること」はたくさんあります。

たとえば、おやつを食べてから宿題に取り組む、そのように子どもたちに声かけをすること。子どもたちの生活リズムを作り、習慣を身に付けるという意味では、大事なことです。

しばらくすると子どもたちからは、「なんで先におやつを食べなければいけないの?」「遊びをしてから宿題やってもいいじゃん!」という声もあがります。そのように言われて考えてみると、その子が絶対に先におやつを食べなきゃならない理由は見つからないことがあります。もちろん、最初に「おやつを先に食べる」と決めたことに理由はあります。それは全体(全員)がスムーズにやるべきことを達成するためです。しかし、一人ひとりの子どもによっては、そのようにしなければならない(先におやつを食べなければならない)理由がない場合もあります。

おやつだけではなく、宿題についても同じことが言えます。その子が遊びが終わってからや、プログラムが終わってから宿題に取り組むという選択ができる状況(時間的な余裕など)であるならば、どちらを選ぶかは子ども自身が決めることができるはずです。

一方で、子どもたちからは、このように尋ねられることがよくあります。

「次は何すればいい?」

最初は自分が何をすべきか、何ができるのかわからないのは当たり前です。そのような時には、その子にとってやるべきことを優先できるように、「○○から先にやろうか」と答えることが多いです。

選ぶことができる状況であるならば、「○〇と○○、どっちにする? ○○で遊べるよ?」という選択肢の中から、子ども自身が選び決めることができるように声をかけるようにします。

そして、やるべきこととやりたいことを自分で考え、自由に過ごし方を決めることができる(放課後をデザインすること)時間にしていきたいと考えています。

 

先程も記述しましたが、大人が決めることを否定するわけではありません。当然、学年や子どもの成長段階によっては、大人が決めることが子どもを支援することにも繋がります。

私たちが放課後の時間に大切にしたいことは、子どもたちが自ら選び、決められるように支援をすること。また、一人ひとりの子どもにとって、その時最適な選択肢を提示することです。

決められていること、やらなければならないことがあるのは、子どもたちも大人の社会も同じです。それらを放棄することが自由ということでももちろんありません。そのことをしっかりと理解したうえで、必要以上に大人が決めすぎてはいないか、もっと子ども自身が選び決めることができる瞬間があるのではないか。常に考えていきたいと思っています。

 

自由とは、「自分で選び、決める」ことだと思います。自由の中での小さな選択の積み重ねが、自分で考える力、決断する力にも繋がっていくと感じています。

いつ、何を、誰と、どのように・・・。放課後の時間には、「自分で選び、決める」ことができる瞬間がたくさんあります。どんなに些細なことでも、少しチャレンジングなことでも、可能な限り子ども自身が選び、決めることができるような居場所をつくりながら、子どもたちに寄り添っていきたいと思います。

 

 

 

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